30代も半ばに差し掛かっている。
代謝が落ちて昔より少し太ったし、若さという強い武器は失われた。
それでも私は、タイトルの通り今の自分が嫌いじゃない。
絶望的に服のセンスがないことを自覚したのは、大学を卒業する頃だっただろうか。遅い。遅すぎる。
タレントが着ている服がかわいくて、真似してみようと同じようなものを買ってもしっくり来なかった。それもそのはずだ。私は背が低い。ハタチそこそこの女の子が着るようなブランドはM・Lの2サイズ展開も珍しくない。サイズの合わない服がしっくり来るはずないのだ。
そんなことにすら気づかなかった私なので、色彩感覚や異形デザインを組み合わせるセンスなど持ち合わせているわけもない。
齢22にしてその事実に気づいた私は、思い切って大量の洋服を捨てた。
「なんにでも合う無難な色」「なんにでも合う無難な形」「体のサイズに合った服」この3つを最優先事項として服を買い揃えた。
結果としてクローゼットはユニクロだらけになったが、ショーウィンドウに友達と並んで映った姿を見て、この前よりいいじゃんと少し自信が持てた気がした。
それから10年少々が経過した。相変わらず磨かれることのないファッションセンスだが、無難という処世術を身につけてなんとか社会を生き延びている。
お決まりのメイク道具をお決まりの順番でなんとなく顔に乗せていただけだった化粧。
そういえばきちんとハウツーを学んでいない気がするなと気づいた26歳の私は、とりあえず本を手に取った。
まるごと本を真似するというよりは、自分なりに咀嚼してやりやすい形に変えていった。それでも少し顔の印象が変わったのがわかって嬉しかった。
即効性がすごかったのはビューラーの使い方。確かにぐんとまつげが上がった。
メイクの前に頭皮を揉んだり耳を回したり、コスメだけでないところに意識がいくようになったのもこの本がきっかけ。
あれから8年が経過しているが今でも時々ぱらっと見返す、メイクの時間をちょっと楽しくしてくれた一冊だ。
骨格診断やパーソナルカラー診断は、プロでこそないもののきちんとそれらの講義を受講した友人によるアマチュア診断を受けた。格安でやってくれたのだ。結果も割と納得がいくものだった。
骨格はウェーブだね、という診断結果と共に、「でもウェーブにすすめられがちなフェミニンな服、似合わない顔だよね!」と残酷に告げる友人の笑顔は忘れない。
コーディネート例だけを参考にするんじゃなくて、素材感や丈感っていうチェックポイントをおさえれば大丈夫だよ。と救済の道も示してくれたので、今日もなんとか生き延びています。その節はありがとう。
体重が増えたのは代謝だけではなく間違いなく怠慢も原因の一端ではある。
こればかりは自堕落によるものなので己を奮い立たせるしかないが、太ってひとつだけいいことがあった。吹き出物が格段に減った。
加齢で皮脂の分泌が落ち着いてきたというのも理由のひとつかもしれないが、ぐんと吹き出物が減ったのは26,27を過ぎて少し体重が増えてきた頃からの気がする。
…なんて言って正当化しようとしているが、このままでは寸胴まっしぐらなので久しぶりに筋トレを再開した。来年の目標のフライングスタートだと思って頑張ろう。
年を重ねる中で盛大に肌の調子を壊したこともあるが、そのおかげで自分に合った基礎化粧品も見つけられた。
30か、30手前の頃だっただろうか。信じられないほどカサカサになって、何を塗っても染みてしまって、皮膚科に行っても原因わからず。
泣きたくなりながら模索した結果、セラミドのシンプルな化粧水なら染みないことに気が付いた。
Curel、お前のことは一生愛し続けるよ。
最近は肌の様子を見ながらUpt.も使っている。安達祐実になりたくて。Curelと同じくセラミドに注目した商品で、お値段もそんなに変わらない。
uptofficial.jp
正直、「劇的に変わる!」という商品ではないかもしれない。だから、良い。うんうん、これこれ。そう思える化粧品に出逢えたのが嬉しい。
そんなこんなで30代半ば。若くもないし、こんなところにシミあったっけ?と鏡を見てびっくりすることもある。
それでも私は、10年前より今の自分の方が結構可愛いと思っている。
垢抜けるのが遅かっただけじゃない?と言われればそれまでだし、おばさんがなんか言ってるわと後ろ指をさされるかもしれないが、まあ気にしない。
絶世の美女でないことなんて重々承知だし、別にこの感覚を誰かに強要したいわけではないのだから。
今の自分が嫌いじゃないと、そう思える自分のことが結構好きだ。