ESULOG

独身会社員の雑記兼アウトプット修行

苦手な本にどう向き合うか

私のKindleはざっくりとしたフォルダ分けをしている。
図書分類法のような一般的なものではなく、自分が使いやすいようなフォルダ分け。
「ミステリ」「ミステリ以外(の小説)」「詩歌」「雑誌(アイドル)」「雑誌(その他)」みたいな感じだ。
読み終えていないものはフォルダに入れず、「未分類」に蓄積される。積読+読み途中の本の置き場所。


今「未分類」には読みかけの本がいくつか存在するが、そのうちの2冊は「だめだ、読めない」と読破をほぼ諦めてしまっているものである。
小説ではなく、どちらも自己啓発書に近い内容だ。


自己啓発書って私にとってはちょっと厄介。自伝と肩を並べるほどに著者の人柄が出る。
そうなるともう、人と人との相性に近いものが本と私の間に生まれてしまう。ちょっと読んで、「あ、この人合わないわ」と思ってしまうことがたまにある。
受け手である私側の読書姿勢が横柄だという問題もあるとは思うのだけど、読み続けることを苦痛に感じてしまうのだ。

人柄が合わずともその思考回路やノウハウの中に見出せるものは充分ある。ただ、読み続けるのが苦痛になってしまうとどうにもならない。
こういうとき、みんなはどうしているんだろう?


もちろん、「この人ツッコミどころ多いな」と思いつつも苦痛にならずするすると読める本はある。
私にとっては、たとえばこちら。

田坂広志『知性を磨く ~「スーパージェネラリスト」の時代~』

私は何かを極めるというよりは、浅く広く、間口を広く持っていきたいというタイプなのでこの本を手に取った。
コンサル業界では恐らく有名なワードである「垂直思考」の話は、なるほど綺麗な言語化だと、とても勉強になった一冊。
ただ、その後「年を重ねた方が精神エネルギーが増してうんたらかんたら」みたいな話に突入し、いやいやちょっと待てよ非論理的だろさすがに、と突っ込まざるを得なかった。
もちろん「年の功」という言葉もあるし、あらゆるプロジェクトに揉まれてきた著者の経験則から成る主張だというのは重々承知だが、読んだ当時20代だった私にはツッコミどころとなってしまった。今読んだら印象もまた変わるのかな。
まあ、そんなツッコミどころがあったとしても、自分の中でとても印象深い、感謝の念が強い一冊となっている。


そういう本ならいいのだけど、さて、ページをめくる気になれなくなってしまった今の積読たち。
手軽に買える分、後先考えずにホイホイ購入してしまった私が悪いのだが。こういうことがあると、Kindle Unlimitedに入っていればと悔やまれる。
得られるものはあるだろうから、斜め読みでもざっくり目を通したい。


人付き合いは決して悪くない方だと思う。
なんならできる範囲で八方美人に努めようとすら思っている。その方が生きていく上で何かと都合がいいからだ。
ただ、書籍は実際の著者本人と対峙するわけではない。誰を不快にさせることもない。
そこに甘えて、本越しの著者に対する好き嫌いが過剰になってしまっているかもしれない。


この2冊は当分「未分類」のフォルダに眠り続けることだろう。
いつか、いつかは目を通す。いやそれ絶対にやらん奴。
そんな問答を心の中で呟きながら、Kindleを閉じた。